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月別アーカイブ: 2022年11月

地域包括支援センターの人員配置基準や主任介護支援専門員の要件の見直しを提案

・厚生労働省は、2024年度介護報酬改正議論を行う社会保障審議会介護保険部会の席上で、地域包括支援センターの業務負担の軽減に向けた施策を提案、24日の同部会で議論することとなった。
・地域包括支援センターについては、介護予防支援(要支援者)は基本的には地域包括支援センターが行い、居宅介護支援事業所が行う場合には地域包括支援センターよりの「委託」となる。これを居宅介護支援事業所でも介護予防支援を担当できるようにすることを提案。
・地域包括支援センター厚生要員要件となっている「主任介護支援専門員その他これに準ずる者」については範囲を拡大、地域包括支援センター自らが将来の主任介護支援専門員を育成できるようにしてはどうかと提案している。
・これら施策については次回議論を行い、年内に大枠の方針を固める予定となっている。

医療・介護従事者向け「メディカルサポートサイト」を開設

・日清オイリオグループ株式会社(社長:久野 貴久)は、この度、医療・介護従事者向けの情報提供サイト「日清オイリオ メディカルサポートサイト」を開設。
・「メディカルサポートサイト」では、「学会・セミナー情報」「お役立ち情報」「動画ライブラリー」「商品情報」「サンプルお申込み」「お問合せ」の6つのコンテンツから構成されており、医療・介護従事者を対象とした専門性の高い最新情報を発信することで、医療・介護施設での食事の困り事や栄養管理に役立つ情報をいち早くお届けすることを目指すとしている。
・特に「お役立ち情報」では、脂質の栄養情報に関するWEBセミナー・学会情報、医療・介護現場での活用事例、専門家によるコラムなど、医療・介護従事者にとって有用な情報を掲載するとしており、同社のこれまでの栄養に関する知見が生かされたコンテンツになると思われる。

政制度等審議会・財政制度分科会で要介護1、2の保険対象外しの見送りを容認

・財務省は7日、財政健全化への道筋を財政制度等審議会・財政制度分科会を開き、今後の社会保障の改革を議題に挙げた。
・分科会では2024年度の介護報酬改正に言及、かねてより懸案として挙がっていた要介護1と2の訪問介護、通所介護を市町村の総合事業へ移す案について、具体化に向けた検討を進めるべきとした。
・前回までの分科会においては「具体化すべき」としていたものを、今回においては「「段階的にでも」の文言を追加したことにより、将来的な移行を促しつつも、次回介護報酬改正で実現する可能性はかなり低下した。
・ただ、「今後も介護需要の大幅な増加が見込まれるなか、生活援助型サービスをはじめ、全国一律の基準ではなく、人員配置や運営基準の緩和などを通じて、地域の実情に合わせた多様な人材・資源を活用する枠組みを構築する必要がある」とし、構想そのものについては撤回しない方針を明確にした。

無印良品が、湯せん調理ができるポリエチレン袋などを発売開始

無印良品を展開する株式会社良品計画は、日常の暮らしの中で使用頻度の高い日用品3種類、「湯せん調理ができるポリエチレン袋」「ポリエチレン手袋」「除菌ウェットティシュー」を11月9日(水)から全国の無印良品とネットストアで発売すると発表。
「湯せん調理ができるポリエチレン袋」は、食品の冷蔵や冷凍保存のほか、湯せん調理に使用可能。一般的には箱のパッケージに入ったものが多いが、枚数が減った時に省スペースで保管できるよう、PP袋でのパッケージとなっている。また、ロールタイプに
することで、何枚か重ねて出てきてしまうストレスがなく、1枚ずつ取り出しやすくなっている。無印良品は、全国津々浦々で日常の生活を支えることを目指し、現在、日常生活に役立つ日用品・消耗品を拡充している。
今回提供を開始するのは、生活の中での使用頻度の高い消耗品で、利便性を高める機能を細やかに設計したとしている。

ケアプランデータ連携システムの年間利用料を発表

・厚生労働省は26日、ケアプランのやり取りをオンラインで行う「ケアプランデータ連携システム」について、介護保険最新情報Vol.1109にて利用料金を発表。
・利用料金は年間21,000円(税込)で、電子請求の証明書発行手数料と同様、国保連に請求する介護給付費からの差引きが可能としている。
・ケアプランデータ連携システムとは、介護現場の事務負担の軽減に向けた国の施策の一環で、毎月のケアプランやサービス利用票(予定・実績)などの共有を、FAXや紙の手渡し、郵送などの方法における煩わしさを軽減する環境を構築することを目的としたもので、2023年4月から本格的に稼働予定となっている。

転倒骨折のリスクを低減する新しい床材「ころやわ」の販売網を拡大

・株式会社Magic Shieldsは、自社にて開発した転倒による骨折リスクを軽減する転んだ時だけ衝撃を吸収する「ころやわ」について、販売代理店を介護用品卸などにも拡大したと発表。
・従来は株式会社エクセレントケアサポート1社だけであったが、新たに株式会社ケアマックスコーポレーション、株式会社豊通オールライフ、アズワン株式会社など7社と新たに契約を締結。より多くの医療・福祉施設がスムーズに購入できるようになるとしてい
る。
・「ころやわ」は、転倒による骨折リスクを軽減する「転んだ時だけ柔らかい床」で、歩行時の踵やつま先、杖・車いす使用時の沈み込みが少なく歩行安定性に優れるとともに、大腿骨の骨折リスクを軽減する「衝撃吸収性」を実現。転倒時にはフローリングに対して約半分に衝撃を抑え、骨粗鬆症の大腿骨骨折の目安荷重(221kgf)を下回るとしている。

介護食(食事タイプ)の利用者は2019年比で4.7ポイント増の26.0%に

・アサヒグループ食品株式会社は、実際に介護をしている方を対象に、介護世帯の食事・口腔ケア・生活全般の実態と意識などに関する調査を実施し、7月に実施した調査では、高齢化社会の進行に加え、近年、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い在宅介護が増加していることなどから、市販の介護食を利用する方が増加していることがわかったと発表した。
・今回の調査では「介護における食と調理意識」を調査、「食事を楽しんでほしい」と回答した方は昨年に比べ微減となっているものの全体の約7割と、他の回答よりも高い結果となった。
・また、「介護用のレトルト食品や飲料を、活用していきたい」という方は増加傾向で、2019年比で5.3ポイント増の50.3%となった。
・同社では、食事の準備に対して「家族が用意した方がよい」と考えている方は年々減少。コロナ禍で在宅介護の機会が増え、食事の準備を負担に感じている人が多い中、市販の介護食や配食サービスなどを上手に活用していきたい意識が高まっていると推測している。

介護保険制度改正に向けた議論、本格的に開始

厚生労働省は31日に社会保障審議会介護保険部会を開催、全世代型社会保障会議論点を踏まえて、素案の論点について議論を進めた。なお、福祉用具貸与については、本会議中に部会長より、「給付適正の論点中での議論は行わない」との発言があった。
・今回は、「被保険者範囲・受給権者範囲」「補足給付に関する給付の在り方」「多床室の室料負担」「ケアマネジメントに関する給付の在り方」「軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方」「軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方」「現役並み所得」「一定以上所得の判断基準」「高所得者の1号保険料の負担の在り方」の7つの議題について意見を求めた。
・今回より本格的な議論が開始。11月いっぱいで大枠での方向性を決め、年内にも見直しの方針を決定。さらに2023年の通常国会に法案が提出される見込みとなっている。

政府、介護の利用者負担引き上げを前向きに検討

・岸田文雄内閣総理大臣は18日の衆議院・予算委員会において、2024年度介護報酬改正で利用者負担を引き上げることについて、前向きに検討していく方針を表明。
・総理は「能力のある方には負担を負ってもらう、そのことによって制度全体を維持していく、多くの方々の生活を支えていく。こうした結果につなげていくという考え方は重要」とし、「どこで線を引いて、どこまで負担をお願いするのか。こうした観点に基づいて、今の現状の中で判断をしていく。こうした考え方は当然大事ではないか」と、利用者負担について前向きに検討する姿勢を明確にした。
・現在厚生労働省の社会保障審議会では高齢者の生活への影響を懸念する声もあることから、2割負担、3割負担の対象者を拡大することを検討している。