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日別アーカイブ: 2026年10月19日

介護保険の住宅改修、書類が面倒で受けていない職人さんへ|依頼から完了まで、職人さんの出番はどこか

「介護保険の工事は、書類が多くて面倒らしい」。
そう聞いて、手すりの仕事を受けずにきた方もいると思います。

工事は1時間で終わるのに、申請や写真で何日も待たされる。
役所に何を出せばいいのかも、よく分からない。
そう考えると腰が重くなるのは、自然なことです。

以前の記事で、職人さん・外注先を募集していると書きました。
そのとき「次は書類の流れを書きます」とお約束していました。

今回はその続きです。
1件の住宅改修が、依頼から完了までどう進むのか。
そのうち職人さんにお願いする部分はどこかを、まとめてみます。

住宅改修は「工事の前に申請する」決まりです

介護保険の住宅改修とは、介護保険を使った手すりや段差の工事のことです。
普通のリフォームと一番違うのは、着工前に市町村への申請が要る点です。

先に工事をしてしまうと、原則として保険が使えません。
施主さんが全額を負担することにもなりかねないので、順番がとても大事です。

保険で出る金額にも上限があります。
一人あたり20万円までの工事が対象で、自己負担は所得に応じて1〜3割です。

対象になる工事も決まっています。
手すりの取付、段差の解消、滑りにくい床材への変更、引き戸などへの扉の取替え。
それに洋式便器への取替えと、これらに付帯する工事です。

依頼から完了まで、流れは大きく5段階です

市町村によって、様式や細かな決まりは少しずつ違います。
ここでは一般的な流れとして読んでいただければと思います。

1. 相談と現地確認

ケアマネジャー(介護の計画を立てる担当者)や施主さんから相談が入ります。
ご本人の動きを見ながら、どこに何を付けるかを決めます。

2. 見積書・図面・理由書をそろえる

工事の見積書と、取付位置を書いた図面を用意します。
ケアマネジャーは「住宅改修が必要な理由書」を書きます。
この工事がなぜ暮らしに必要なのかを説明する書類です。

3. 着工前の写真を撮り、事前申請する

工事をする場所の、工事前の写真を撮ります。
日付が分かる形で求められることが多いです。
書類をまとめて市町村に申請し、確認が出るのを待ちます。

4. 工事

確認が出てから着工です。
職人さんに入っていただくのは、主にこの段階になります。

5. 完了後の写真を撮り、支給を申請する

工事が終わったら、同じ場所をもう一度撮ります。
領収書や工事費の内訳と一緒に市町村へ出し、保険分の支給を受けます。

職人さんにお願いするのは、決まった現場での工事です

こうして並べると、書類は確かに多く見えます。
ただ、そのほとんどは工事の「前」と「後」に集まっています。

取付位置の図面と部材リストは、着工前にできあがった状態でお渡しします。
理由書はケアマネジャーの仕事です。
見積もりや施主さんとの金額のやり取りも、職人さんにはお願いしていません。

部材はこちらで手配し、手すりの長さやブラケットの数も拾い出してあります。
職人さんには、申請の確認が出た現場で、決まったものを付けていただく形です。

完了写真は、着工前と同じ向きで撮ると通りやすくなります

完了後の写真は、支給申請に使う大事な書類です。
着工前の写真と見比べて「ここに付けた」と分かる必要があります。

現場で写真をお願いする場面があれば、次の点を意識していただけると助かります。

  • 着工前の写真と、同じ位置・同じ向きから撮る
  • 手すりは、端から端まで全体が入るように撮る
  • 高さが分かるよう、床や周りの壁も少し入れる
  • スロープや式台は、両端と段差の部分が写るようにする

難しい撮り方ではありません。
ただ、引きの一枚を撮り忘れると、もう一度伺うことにもなりかねません。
片付けの前に一枚、と覚えておいていただくのがおすすめです。

図面と違う場面では、その場で決めずにご連絡ください

現場に入ると、図面どおりにいかないこともあります。
下地が思った位置にない、配管があって穴があけられない、といった場面です。

そのときは位置を変える前に、一度ご連絡をいただけると安心です。
申請した内容と違う工事になると、保険の対象から外れる心配があるからです。

少し位置をずらすだけでも、ケアマネジャーや市町村に確かめたほうがいい場合があります。
判断はこちらで引き取りますので、現場で一人で抱え込まなくて大丈夫です。

支払いは月締めで、請求の書類はこちらで整えます

「保険の支給が出るまで、職人への支払いも待たされるのでは」。
そう心配される方もいるかもしれません。

施工費は工事内容ごとの単価表で決めてあり、支払いは月末締めの翌月払いです。
請求関係の書類は、こちらで整えます。

住宅改修の書類は、慣れるまでは分かりにくいものです。
それを職人さん一人で抱えなくていい形にしたい、というのが今の分け方の理由です。

まず1件、現場に入ってから決めていただけます

現在お願いしているエリアは、豊田・岡崎・安城を中心に西三河全域です。

いきなり継続のお約束をいただく必要はありません。
まず1件入っていただき、割に合うかどうかを見て決めていただければと思います。
単価表と、工事の流れが分かる資料もお渡しします。

「話だけ聞いてみたい」という段階でも構いません。
お問い合わせは、0565-47-4625 まで。
サイトのお問い合わせフォームからでも受け付けています。

募集の詳しい内容は、「手すり1本の工事」を、断っていませんか|職人さん・外注先を募集していますにまとめています。

浴室の手すり|横に1本通すか、縦に付けるかで迷ったとき

「浴槽をまたぐのが、少し怖くなってきた」
浴室の手すりは、このひと言から始まることが多いです。

ただ、同じ「怖い」でも、またぐ瞬間が怖いのか、浴槽の中で立ち上がるときが怖いのかで、付ける場所は変わります。
お風呂は一番転びやすい場所なので、ここは面倒でも分けて考えたほうが安全です。

またぐときに使うなら、入口側の壁に縦向きです

浴槽に入るとき、片足を上げた瞬間は片足立ちになります。
このとき体は少し前に傾くので、前方で握れるものが要ります。

縦の手すりなら、握る高さを自分で選べます。
足を上げるときは高めを、浴槽に腰を下ろすときは低めを握る、という持ち替えができます。

どの壁に付けるかは、どちら側から入っているかで決まります。
いつも通りにまたいでいただくと、手が自然に出る場所が分かります。

またいだあとも支えたいなら、横に1本通します

浴槽の横の壁に取り付けた横手すり

横向きの手すりは、握る場所が長く取れるのが利点です。
またぐ前から、浴槽の中で立ち上がるまで、手を持ち替えずに体を支えられます。

先日お受けした工事では、浴槽の横の壁に横手すりを1本通しました。
樹脂巻きの手すり(マツ六 ソフトアクアレール+)で、濡れた手でも滑りにくいものです。

縦と横、どちらが合うかは、その方の動き方次第です。
両方付けることもありますが、本数が増えるほど体を預ける場所が散らばるので、まず1本をどこに付けるかから考えています。

カバーの下は、こうなっています

カバーを外した手すりのベース。数本のビスで壁に留めてある

手すりの端についている丸いカバーは、外すと金属のベースが出てきます。
このベースを数本のビスで壁に留め、あとからカバーをかぶせる造りです。

体重を受け止めているのは、このビスと、その先にある下地です。
見た目は同じ手すりでも、ここが効いていなければ、寄りかかった拍子に動きます。

浴室は壁の中が見えないので、どこに下地があるかを探ってから位置を決めます。
「この位置がいいけれど、下地がないので少しずらします」とご相談することもあります。

色は壁に合わせず、見えやすさで選ぶ手もあります

浴室の壁は白が多いので、白い手すりは景色になじみます。
なじむぶん、目では探しにくくなります。

目が見えにくくなってきた方には、少し濃い色を選んでおくと、手を伸ばす先が分かりやすくなります。
ご本人がどちらを気にされるか、現場で一度聞いてから決めています。

介護保険を使う場合は、着工前の申請が必要です

要支援・要介護の認定をお持ちの方は、介護保険の住宅改修(上限20万円・原則1割から3割のご負担)が使える場合があります。
浴室の手すりも、この対象に含まれます。

気をつけていただきたいのは、工事を始める前に申請を終えておく必要がある点です。
先に付けてしまうと、保険が使えなくなることがあります。

ケアマネジャーの方がついておられる場合は、まずそちらへご一報いただくとスムーズです。
手順の全体像は介護保険の住宅改修の進め方にまとめています。

迷ったときは、写真を2枚お送りください

浴室の入口から浴槽全体が写った写真と、またぐ側の壁が写った写真があると、おおよその見立てはお伝えできます。
どの動作で困っておられるかも、一緒に教えていただけると助かります。

手すりの高さや向きの考え方は手すりの取り付け位置に、これまでの工事は施工事例のまとめにまとめています。

ご相談・お見積りのご依頼は、お電話でも承っています。
株式会社Lacrie ラクリエHOME 0565-47-4625

退院の日が決まってから、家の工事は間に合うのか|手すり・段差を退院前に整える段取り

「来週、退院が決まりました。それまでに手すりを付けられますか」
こうしたお電話を、退院の日が近づいてからいただくことがあります。

お気持ちは、とてもよく分かります。
ただ、工事そのものより先に、手続きのほうで日数がかかることが多いです。

急いで先に工事をすると、介護保険が使えなくなる場合もあります。
今回は、退院までの限られた時間で家を整える段取りをまとめました。

先に工事をすると、介護保険が使えないことがあります

介護保険の住宅改修は、原則として工事の前に申請が必要です。
着工してから申請しても、対象にならないことがあります。

支給限度基準額は原則20万円で、そのうち1〜3割がご本人のご負担です。
順番を外れると、この20万円分がまるごと自費に変わってしまいます。

退院に間に合わせたい一心で、申請より先に職人を呼んでしまう。
いちばん避けたいのは、この順番の入れ替わりです。

豊田市での申請の進め方は、こちらにまとめています。
→ 豊田市で介護保険の住宅改修を進める流れ

入院中でも、申請の準備は進められます

住宅改修は、自宅で暮らしていることが前提の制度です。
そのため「入院中は何もできない」と思われがちです。

実際には、入院中でも事前申請を受け付けている市町村があります。
その場合、お金が支給されるのは退院して家に戻ってからです。

要介護認定(介護がどのくらい必要かの判定)の結果待ちの方もおられます。
結果が出る前に申請できる市町村もありますが、結果次第で対象外になります。

扱いは市町村ごとに違うため、まずはケアマネジャーか窓口に確かめるのがおすすめです。
「入院中で、退院日はいつごろ」と伝えると、話が早く進みます。

退院前の家屋調査で、手すりの位置を決めておきます

病院によっては、退院前にリハビリの担当者が家を見に来てくれます。
家屋調査(退院後の暮らしに合わせて家の中を確認すること)と呼ばれます。

来てくれるのは、理学療法士(体の動きを取り戻すリハビリの専門職)などです。
病院でどこまで歩けて、どこで支えが要るかをよく知っている方です。

この日に工事の業者も同席できると、話し合いが一度で済みます。
手すりの位置や段差の高さを、その場で一緒に決められるからです。

同席が難しいときは、家屋調査での指摘をメモに残してください。
「玄関の上がり框(あがりかまち)の横に縦の手すり」のように、場所と向きが分かれば十分です。

ご家族が先に撮る写真で、見積りが早く進みます

ご本人が入院中だと、ご家族が家とのつなぎ役になります。
次の写真が先にあると、現地を見る前から段取りを始められます。

  • 玄関の上がり框と、その横の壁
  • トイレの便器まわりと、入口の扉
  • 浴室の出入口と、浴槽をまたぐ位置
  • ベッドを置く予定の部屋から、トイレまでの廊下

段差や廊下の幅に、メジャーを当てた写真があればなお助かります。
手すりを付ける壁の裏に柱があるかどうかは、現地で確かめます。

間に合わない場所は、レンタルでつないでおきます

申請の確認や部材の手配で、退院の日に工事が間に合わないこともあります。
そのときは、工事のいらない福祉用具でひとまず退院を迎える方法があります。

置くだけの手すりや、段差に渡すスロープは、介護保険でレンタルできます。
使ってみて、それでも足りない場所だけを工事で固める、という順番です。

この順番のほうが、結果として工事が少なく済むこともあります。
病院の中と家の中とでは、ご本人の動き方が変わることがあるからです。

工事なしで付けられる手すりは、こちらの記事で紹介しています。
→ 賃貸でも工事なしで付けられる手すり

退院の日から逆算して、3つだけ先に動いておきます

ここまでの話を、退院前にご家族ができることに絞ると次の3つです。

  1. ケアマネジャーに「住宅改修を考えている」と早めに伝える
  2. 家屋調査の日程を病院に聞き、業者の同席を相談する
  3. 困りそうな場所の写真を、ご家族が撮っておく

ケアマネジャーがまだ決まっていない場合もあると思います。
そのときは、地域包括支援センター(高齢者の総合相談窓口)が最初の相談先になります。

ケアマネジャーの皆様へ

退院前カンファレンス(病院で退院後の暮らしを話し合う場)の段階で、お声がけください。
家屋調査への同席も、日程が合えばご相談に乗ります。

申請に使う見積書や、工事前の写真・図面もご用意します。
退院日が先に決まっている案件ほど、早めにご連絡いただけると段取りが組みやすくなります。

まずは退院の予定日を教えてください

退院の日が決まっているかどうかで、選べる段取りが変わります。
日にちの見通しが立った時点で、一度ご相談いただくのがおすすめです。

手すりの位置の考え方は、こちらで書いています。
→ 手すりを付けたのに使われない|取り付け位置は、寸法より動作で決まります

玄関の段差については、こちらの記事もあります。
→ 玄関の段差が上がれない|踏み台を足す前に、確かめておきたいこと

実際の工事の様子は、こちらでご覧いただけます。
→ 住宅改修・リフォームの施工事例まとめ

ご相談・お見積りは、お電話でも承っています。
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