-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー
冬の朝、お風呂に入ろうと脱衣所で服を脱いだとたん、
思わず肩をすくめるほど寒い。
湯船につかると、今度は頭がぼうっとする。
上がったあとの脱衣所で、また体がひやっと縮こまる。
ご本人は「いつものこと」と気にしていなくても、
ご家族やケアマネジャーさんは、この温度の差が気になり始めると思います。
私は工事部門の事務として、見積から完了報告までを担当しています。
手すりや段差に比べて、寒さの工事は頼みどころが分かりにくいかもしれません。
「暖房を付けるだけで、工事になるのか」と迷ってしまう方もいると思います。
今回は、寒さが気になったときに見ておきたい場所をまとめてみました。
ヒートショックとは、急な温度の変化で血圧が大きく上下することです。
暖かい居間から寒い脱衣所へ、そして熱いお湯の中へ。
この行き来のたびに、体には負担がかかります。
冬場は、入浴中の事故が増える時期とも言われています。
ですので、家全体を暖かくする必要はありません。
「居間」「脱衣所」「浴室」の温度の差を小さくすることが目安になります。
まずは、ご本人が通る順番に沿って、寒い場所を探してみませんか。
見ておきたいのは、次の3か所です。
脱衣所は、家の北側や窓ぎわに配置されていることが多い場所です。
服を脱いで立っている時間があるぶん、寒さを感じやすくなります。
手軽なのは、小型の暖房機を置くことです。
ただ、狭い脱衣所では置き型が足元にあたり、つまずく心配もあります。
そこで、壁に取り付けるタイプの暖房機を選ぶ方法があります。
床があくので、着替えや車いすの動きをじゃましません。
取り付けには、近くにコンセントがあるか、電気の容量が足りるかの確認が要ります。
場合によっては、専用のコンセントを増やす電気工事も一緒に行います。
床の冷たさも、見落とされやすいところです。
素足で立つ場所なので、床材によって足裏の冷たさの感じ方が変わります。
滑りにくい床材への変更は、介護保険の住宅改修の対象になる工事です。
冷たさの対策と、転ぶ心配の対策を、一度に考えられます。
タイル張りの在来浴室(床や壁をその場で仕上げた昔ながらの浴室)は、
床も壁も冷えやすいつくりです。
浴室暖房乾燥機(天井や壁に付けて、浴室を暖める機器)は、
今ある換気扇と入れ替える形で、後から付けられる場合があります。
ただし、天井裏の広さや電気の容量によって、付けられる機種が変わります。
現地で天井の点検口を開けて確認してから、ご提案する流れになります。
工事をしなくても、できることもあります。
お湯をはるときに浴槽のふたを開けておくと、湯気で浴室が少し暖まります。
入る前に、シャワーで床や壁にお湯をかけておくのもひとつの方法です。
お金をかけずに試せるので、まずはここから始めてみるのも良いと思います。
浴室そのものを替える場合は、断熱性のある床や浴槽も選べます。
介護保険が使える部分と使えない部分は、こちらにまとめています。
→ 在来浴室からユニットバスへ|介護保険が使える部分と、使えない部分
脱衣所や浴室の窓は、冷たい空気が伝わってくる大きな入り口です。
暖房を付けても、窓ぎわから冷えてしまうことがあります。
今の窓の内側に、もうひとつ窓を付ける「内窓」という工事があります。
窓と窓のあいだに空気の層ができて、外の冷たさが伝わりにくくなります。
壁を壊さずに付けられることが多く、工事の時間も長くはかかりません。
浴室に付ける場合は、湿気に強い仕様を選ぶ必要があります。
窓の断熱工事には、国や自治体の省エネ改修の補助金が出ている年もあります。
申請の時期や条件は年ごとに変わるので、工事の前に確かめておくと安心です。
ここは少しややこしいので、分けて書いておきます。
介護保険の住宅改修は、対象になる工事の種類が決まっています。
寒さの対策そのものは、介護保険の対象にならないことがほとんどです。
ただ、同じ脱衣所で床や手すりの工事をするなら、そこは対象になりえます。
支給限度基準額は原則20万円で、そのうち1〜3割がご本人のご負担です。
原則として工事の前に申請が必要なので、着工前の確認をおすすめします。
豊田市には、介護保険の住宅改修とは別の助成制度もあります。
対象になる工事は制度ごとに違うので、こちらもあわせてご覧ください。
→ 豊田市すこやか住宅リフォーム費(高齢者等)の助成とは
脱衣所は、服を脱ぐ、片足で立つ、浴室へまたぐ、と動きの多い場所です。
暖房機を付けた壁に、あとから手すりを付けたくなることもあります。
先に暖房機の位置を決めてしまうと、手すりを付けられる場所が限られます。
手すり、暖房、扉の向きは、できれば同じタイミングで配置を決めてみてください。
浴室の手すりの考え方は、こちらで書いています。
→ 浴室の手すり工事例|必要な本数は場面の数で決まります
脱衣所の扉が開け閉めしにくい場合は、こちらもあわせてどうぞ。
→ トイレのドアが開けにくくなったら|開き戸・引き戸・折れ戸、替える前に見ておきたいこと
寒さの感じ方は、人によってかなり違います。
ご本人が「平気」と言っていても、実際の温度は思ったより低いことがあります。
温度計を、居間と脱衣所にひとつずつ置いてみるだけで十分です。
夜の入浴の時間に、2つの数字を見比べてみてください。
差が大きいと分かれば、どこから手を付けるかが見えてきます。
本格的に冷え込む前の今の時期に確かめておくと、冬の準備が楽になると思います。
実際の工事の様子は、こちらでご覧いただけます。
→ 住宅改修・リフォームの施工事例まとめ
ご相談・お見積りは、お電話でも承っています。
ラクリエHOME(株式会社Lacrie) 0565-47-4625
「トイレのドアが、開けにくくなってきた」
最近そう伺うことが、少しずつ増えてきました。
ご本人は「握力が落ちただけ」とおっしゃいます。
ただ、実際に開けるところを拝見すると、ドアを引きながら半歩下がっておられます。
この後ろへ下がる動きが、いちばんふらつきやすい場面です。
開き戸(手前に引いて開けるドア)は、開く分だけ体を後ろに逃がす必要があります。
廊下が狭いお宅ほど、この逃げ場が足りません。
杖をお使いの方は、杖を持ったまま半歩下がることになります。
そのときに壁へ手をつく場所がないと、体が流れてしまいます。
ノブをレバー型に替えるだけで済む方もいれば、戸そのものを見直したほうが早い方もおられます。
まずは開ける動作を一度、いつも通りにしていただくところから始めるのがおすすめです。
引き戸(横にスライドさせる戸)は、体を後ろに逃がさずに開けられます。
開けた状態で幅が残るので、歩行器や車いすでも通りやすくなります。
介助が必要な方の場合、戸を開けたまま出入りできる点も大きいです。
開き戸だと、介助の方が戸を押さえながら体を支えることになります。
引き戸は、開けたときに戸が収まる壁が横に必要です。
ドアの幅と同じだけの壁が空いていないと、そのままでは付けられません。
その壁に照明のスイッチやコンセントがあると、移設が必要になります。
タオル掛けや棚が付いている場所も、同じように動かすことになります。
壁が取れない場合は、折れ戸(真ん中で折れて開く戸)や、外側に戸を出す形にする方法もあります。
どれが収まるかは、廊下の幅と壁の状態を見てからお決めになると確実です。
床にレールを敷く形は費用を抑えやすい一方、わずかな出っ張りが残ります。
すり足で歩かれる方は、ここにつま先が当たることがあります。
上から吊る形(上吊り引き戸)にすると、床に何も出ません。
その代わり、戸の重さを支えるために上の下地を補強することが多いです。
どちらが良いかは、歩き方と敷居の高さを見て決めるのが安全です。
段差の解消と合わせて考えると、工事を一度で済ませられます。
引き戸の取っ手は、指を掛ける溝だけのものが標準で付いていることがあります。
握力が落ちてきた方には、この溝が使いにくいことがあります。
棒状の取っ手にすると、手のひら全体で引けるようになります。
戸を閉めるときに指を挟みにくい形もあるので、あわせてご提案しています。
要支援・要介護の認定をお持ちの方は、介護保険の住宅改修(上限20万円・原則1割から3割のご負担)が使える場合があります。
引き戸への取替えも、この対象に含まれます。
気をつけていただきたいのは、工事を始める前に申請を終えておく必要がある点です。
先に工事をしてしまうと、保険が使えなくなることがあります。
ケアマネジャーの方がついておられる場合は、まずそちらへご一報いただくとスムーズです。
手順の全体像は介護保険の住宅改修の進め方にまとめています。
ドアを正面から撮った写真と、廊下側から横の壁が写った写真があると、おおよその見立てはお伝えできます。
開けるときにどこで困っておられるかも、一緒に教えていただけると助かります。
これまでにお受けした工事は施工事例のまとめでご覧いただけます。
お住まいの状況に近いものがあれば、そちらを目安にしていただくのもよいかと思います。
ご相談・お見積りのご依頼は、お電話でも承っています。
株式会社Lacrie ラクリエHOME 0565-47-4625