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親が施設に入ることが決まったとき、次に来るのがこの問題です。
誰も住まなくなった家を、どうするか。
固定資産税は毎年かかる。庭木は伸びる。郵便物はたまる。
放っておくわけにはいかないので、多くの方が「売る」方向に動きます。
私は、その場面を何度も外から見てきました。
そして一度、忘れられない経験をしました。
支援していた認知症の利用者さんが、施設に入所されました。
それから少し経って、その方のお宅の前を通りました。
建物が取り壊されて、アパートが建っていました。
思い入れのある土地でした。
ご本人が、庭の話を何度もしてくださっていたので。
そのとき思ったんです。
これは本当に、ご本人の意思だったんだろうか。
ご家族が悪いという話ではありません。
判断しなければいけない時期に、判断できる材料がなかった。そういうことだと思います。
だから私は、不動産も自分で扱うことにしました。
福祉用具の仕事は、まだお元気な段階から家に入ります。
車いすやベッドを運びながら、その家の話を聞くことになります。
「この庭は父が植えたんです」。
「この部屋だけは残したい」。
こういう話は、判断を迫られてからでは出てきません。
そのときにはもう、ご本人が意思を伝えられる状態ではないことが多いからです。
元気なうちに一度、聞いておく。
それだけで、後の選択がまったく変わります。
実家をどうするか。整理すると、こうなります。
どれが正解ということはありません。
ご本人の希望、施設の費用、ご家族の状況。この3つで決まります。
ただ、急いで決めなくていい場合も多いというのは、お伝えしておきたいところです。
「施設の費用が心配だから、早く売らないと」。
そうおっしゃる方がいます。
ただ、介護の費用は月々のものです。
まとまったお金が今すぐ必要かどうかは、一度計算してみたほうがいいと思っています。
年金と、月々の施設費用の差額。
それが何年分たまるのか。
そこが見えると、「今年売る」のか「数年様子を見る」のかが判断できます。
もう一つ、理由があります。
介護保険は、在宅を前提にした制度です。
施設入所は早まり、負担は増えていく。この流れは変わらないと思っています。
だから、介護保険だけに頼らない柱が必要だと考えました。
福祉用具、工事、そして不動産。
同じ会社でこの3つをやっているので、
「まだ住み続けるなら手すりを付ける」「手放すなら、その前に片付けを手配する」。
そういう相談を、一つの窓口で受けられます。
住み続ける場合の工事については、こちらに書きました。
→ 住宅改修・リフォームの施工事例まとめ
「そのうち考えないといけないと思っている」。
その段階でお話しさせてください。
査定だけして、売らずに終わっても構いません。
数字が分かれば、判断できるようになります。
ご相談は、フリーダイヤル 0120-294-554(「福祉ここよ」と覚えてください)まで。
まだ親御さんがお元気なら、まずは家の話を聞いてみてください。
それが一番大事な準備だと思います。